アップサイクルは元の素材に価値を加えて別の形として生まれ変わらせることです。
リサイクルは資源の再生利用、リメイクは古いものから新しいものに形を変えることという意味があります。
アップサイクルの一例として、擦り減って使えないと思われるタイヤをカバンに作り替える例があります。
リサイクルやリメイクとの違いや企業でのアップサイクルの実例も紹介していきますので、使わなくなったものを捨ててしまおうと考えている人は、まだ捨てるには早いかもしれませんよ。
アップサイクル、リメイク、リサイクルの違いは?
アップサイクルは捨てられるはずのものに新たな価値を付け加えて、新しい形として生まれ変わらせることをいいます。
リメイクはドレスからワンピースに変わるように、古いものから別の新しいものに生まれ変わることです。
リサイクルは使い終わったものをもう一度原料(資源)に戻す、素材に分解するなどします。
例えば、飲み終えた空き缶がたまったので決められた曜日に空き缶をゴミとして出します。
決まった曜日に市町村から委託されたゴミ収集業者が空き缶を回収しに来ます。
業者から集められた空き缶は、リサイクル事業者に行って資源として戻します。
戻った資源は別の会社に行って、製品として作られます。
元の素材を別の形に価値を加えて生まれ変わるのがアップサイクルですので、捨てる商品(製品)の中から使えそうな部分を選んで、使える部分を新しい形に変化させる。
アップサイクルはリサイクルとリメイクを掛け合わせて生まれたものと表現したほうがいいかもしれません。
アップサイクルはいつから日本で広まった?
アップサイクルという言葉は1994年にドイツでレイナー・ピルツ氏が初めて使いました。
アップサイクルが日本で使われるようになったのは、実は最近のことではありません。
日本でははるか昔の鎌倉時代から使われていました。
現代に近い使われ方をするようになったのは、江戸時代になってからです。
江戸時代に古くなった綿や絹を繊維にした後、麻糸と繊維を合わせて裂織に生まれ変わらせて再び使えるようにしました。
アップサイクルという言葉や意味の認知度に関するアンケート調査を、2020年9月に東京都立産業技術大学院大学が452人を対象に行いました。
結果は45.7パーセントの人がアップサイクルについて知っていたことが分かりました。
日本ではまだあまり聞かれていない言葉のようです。
アップサイクルの事例
続いてアップサイクルの事例を3つ紹介していきます。
まずは前述した使えないタイヤからカバンがどのようにして作られるのかをお伝えします。
最初にチューブ選びから始め、選ばれたタイヤチューブを何度も洗います。
チューブに新しい価値を付けて工場へ送られ、鞄として使えるようにタイヤチューブが切られていきます。
切られたタイヤチューブという1つの素材から、鞄という新しい形となって出来上がりです。
また、奈良県のアップサイクルラボでは、廃棄される消防ホースからカバンに形を変えて作られています。
東京都にあるネストローブコンフェクト表参道店では、春らしい洋服が並んでいます。
洋服はアップサイクルリノと名付けられ、工場で裁断されたときに出たくずをもう一度綿に戻して糸に復活させ、糸から織物を織りあげて洋服ができました。
洋服の販売は今年2月に始まり、お客様から好評です。
生地を捨てるのはもったいないと考えてアップサイクルを始めていき、生地の廃棄はゼロになりました。
生地に戻せない裁断くずはハンガーに加工しています。
伊勢丹新宿店の中にあるオッフェンポップアップショップで売られている靴は、使用されたペットボトルから作られています。
履き心地は柔らかくて軽く、自宅で水洗いすることができます。
まとめ
アップサイクルという言葉を初めて聞きました。
アップサイクルの意味やリサイクル、リメイクなどの違いを調べましたが、調べるにつれてアップサイクルは奥が深くて自分でもまだ理解できていない部分が多々あったのが正直な感想です。
企業の取り組みから、活用の仕方は様々でこの素材から新しい形になるなんて信じられないと驚くような商品の数々があることがわかりました。