四万十川は高知県西部を流れる
一級河川で「日本最後の清流」と言われ、
長良川や柿田川とともに日本三大清流の一つに
数えられています。
その四万十川で日本三大怪魚「アカメ」が見られます。
アカメとはどのような魚なのか、
実態や釣り、料理などについて解説します。
怪魚アカメとはどんな魚か
アカメはイトウやビワコオオナマズとともに
「日本三大怪魚」と言われています。
巨大な魚で、全長は1.5メートル以上あります。
日本でアカメが最初に確認されたのは
1921(大正21)年です。
魚類分類学者の田中茂穂先生(高知県出身)が
文献に記載しました。
アカメの生息域
アカメは静岡県から鹿児島県までの
太平洋川沿岸から大阪湾、種子島などに生息しています。
記録によれば他に鹿児島県や和歌山県でも確認されています。
中でも生息域として注目されている場所は、
高知県と宮崎県の2県です。
高知県はアカメを漁獲できる唯一の県で、世界有数の場所です。
生息場所は浅瀬や淡水と海水が混じっている
河口から沿岸にかけてです。
アカメが四万十川で釣られるようになったのはいつ?
1980年の週刊釣りサンデーで、
アカメ専門に釣りをしていた方の話によると、
早くて大正9年前後であるようです。
アカメ釣りは当初、川漁師や漁業を生業としている
一部の人たちだけができた特殊な釣りでした。
アカメの特徴
なぜアカメと呼ばれるのか。
それは見る角度によって、
アカメの眼がルビーのように赤く輝いて見えるためです。
赤い目は特徴の1つです。
次に幼魚の時は縞模様をしていますが、
成魚になると銀白色に変化します。
体は1年で10センチほど成長し、
フナやコイなどを餌とします。
頭や体の色味はスズキに似ていますが、
身体の幅はスズキよりも広いです。
また、上あごが下あごよりも前に突き出ています。
成魚となるにはオスが約6年、
メスが約10年と言われています。
成長すると夜行性になります。
寿命は10年から20年ほどです。
全国的に希少な魚
アカメは日本特有種です。
珍しく希少な魚なので、全国各地から
多くの人々が観光に来るほどの人気で、
アカメは「四万十川の観光大使」と呼ばれています。
すぐに絶滅の恐れはなく
県のレッドリストには当たらないが、
高知県では県の自然を代表すると認められる「注目種」に
アカメを2017年指定しました。
アカメの釣りはできるのか
結論から言うと、アカメを釣ることはできます。
珍しい魚を釣ってみたいと考えている人もいますよね。
ただし、釣る際には次のことを必ず守ってください。
アカメを獲ることができるのは高知県だけです。
宮崎県では平成18年に指定野生動植物に
アカメが指定されたので、魚を釣ることはできません。
高知県ではルールを定めています。
(出典:高知県林業振興・環境部環境共生課より)
・アカメを釣ったら再放流
・無用な殺傷はやめる
・アカメを販売目的で獲ることは禁止
・捕ったアカメを他の地域に持ち出さない、
同様に他の地域で捕ったアカメを持ち込まない
個体の数が減っているので、
釣った後は川に戻すようにしてください。
アカメ釣りに良い時間帯
ベストな時間帯は夕暮れから深夜です。
アカメは夜行性で警戒心が強いです。
そのため、朝から昼にかけての時間帯は
湖底でひっそりとしているため
釣るのはおすすめできません。
怪魚アカメは食べられる?
アカメを食べることはできます。
食用に養殖のアカメを対象とした
調理の仕方を紹介します。
・煮つけ
アカメは煮込んでも引き締まった
身のままで崩れにくいです。
食べる時は身をきれいにはがせるので、
煮つけにすることで子どもから大人まで楽しめます。
・塩焼き
厚みのある切り身にして炭火でじっくりと
アカメを焼くと、美味しく召し上がれます。
・刺身
刺身にするときはうろこを丁寧にそぎ落として、
内臓を取り除きます。
次に腹をきれいに洗って、3枚におろします。
骨と皮を取り除き、切る時はやや薄く切ると
美味しく食べることができます。
アカメは白身魚特有の淡白で食べやすいです。
下処理をきちんと行うことで、
臭みが取れて美味しく食べられます。
食べる時におすすめのサイズは5キロ未満です。
大型は味に締まりがなくなり、
生食に向いていないからです。
まとめ
魚と言えばミステリーや海の色とあって美しいイメージがあります。
アカメは日本三大怪魚の1つだけでなく、
国の準絶滅危惧種に指定されているほど
個体数が少ない貴重な生き物です。
貴重なかけがえのない生き物のために、
私たちは住みよい水質環境や改善を
少しでも行って次の世代に残してあげたいですね。